現在の新卒求人の傾向をみると、就職氷河期に比べて就活売り手市場であると言われていますが、実際のところどうなのでしょうか。今回は、売り手市場と言われている新卒事情について解説したいと思います。バブル期1988~1992年までがいわゆるバブル期といわれています。1993~2005年までは就職氷河期といわれていた時期で、福岡でも新卒事情はかなり厳しかったようです。バブルが崩壊してからの就職氷河期を経2006~2008年は景気が回復しつつあったので一転して売り手市場となっていたようです。しかし、2008年のリーマンショックの影響で、2010年~2013年は再び新卒求人が減り、厳しい状況が続きましたが、2014年頃から少しずつ回復してきており、現在では売り手市場へと転じています。就職氷河期の2000年に、求人総数は407,768人、民間企業就職希望者数は412,300人となっており、大卒求人倍率は1を割る0.99となっていました。この頃は、労働条件が悪い会社も多数あります。たとえば、給料も安く社会保険もなく、サービス残業を強いられるような条件の悪い会社でも求人が全部埋まってしまいどこにも就職できない人が発生していたようです。最近は売り手市場ですので、労働条件が悪い所には人が集まらないため、人手不足で業務が回らなくなってしまい倒産してしまうケースも起こっているほど時期によって全然状況が異なります。このような時代の流れの中、2018年卒の就職人気ランキングでは10位以内の6社が金融・保険業となっており、金融・保険業の人気はとても高いようです。求人倍率も1.88倍と氷河期時代に比べて2倍近くも増加していることが分かります。ただし、規模1,000人以上の大企業では、求人倍率の変動は比較的小さく依然として厳しい競争を突破する必要があります。全体の求人倍率の高さは、景気に左右されやすい中小企業の動向に影響を受けているようです。
